炭坑記録画の数々
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むかしヤマの人びと3(先ヤマ・五尺層の立ち掘り)
昭和33~38年頃

昔ヤマの人びと 先やま

 炭たけ五尺以上(一・五メートル)あれば高層の部で立ち掘りがされる。つまり、ツラドリでは能率はゼロであるから、軟い部分をスカシこむ。成可中スカシが好調で深くスカシこんで下イシを打あげ、次に上イシを叩き落す。
 よって充分に腕力を発揮できるが之又掘方に巧拙のある事は勿論である。尚高層炭でボタを含まないキリタオシなれば無難であるが、ボタを含んでおる処が中々多いので、そのボタの撰別や掘出しに昔の坑夫は苦労が多かったわけ(ベテランは始終板目を出す)。石炭には板目柾目があって、板目は軟く掘り易いが、柾目は固く採炭困難である。イタメ、この目は傾斜の斜面に流れておるヤマが筑豊では多い。
 ~昇りゃ掘んなさんな、目に石がい(入)る
  卸しゃ掘なさんな 水がーつく ゴットン~

*ツラドリ(面採) 炭壁面に向ってそのまま採掘すること。
*スカシ(透し) 一部だけ深く切り込むこと。
*キリタオシ(切倒し) 全く選炭の必要のない炭層(純然たる石炭だけの層)。
*板目 炭層には一定の方向に発達した目があり、その目が切羽面と平行に現われたとき板目という。

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