炭坑記録画の数々
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河童ヶ淵(ダイナマイトの魚取り - 失敗)
昭和33~38年頃

河童ケ渕

 魔の澱みには余りに魚が夥しく棲息しておるので、ヤマのおっさんたちは諦め切れず捕獲に熱心。坑内作業用のダイナマイトをこっそり掻ぱらって、これを使用。一挙に大量の魚獲を夢みつつ、やがて点火して投込む瞬間に手から離れず其侭爆発して手首を吹飛ばされ、軽傷者でも拇指とも三本位もぎとられていた。K坑だけでも五、六名右手首のないおっさんがおった。人の噂では十名以上おるらしい。又、誰一人でもマイト魚猟に成功した者はおらないそーである。これもカッパの崇りと諦めていたらしい。
蛇足
 マイトは抵抗が強い程、爆発力が増すとの事で水中爆発でも土手を揺ぶる事地震の如くである。時の官憲はこれを厳しく火薬とともに取締っていた事は勿論である。投込む際の爆発は宇宙で無抵抗だから手首だけ位ですんでいたわけ。(注 ミチビは八センチ位にする。水中に入り早くハレツせねば魚は逃散る)
 大正四年頃、此カッパヶ渕も改良工事で姿を消した。今はその影だにも残っていない。上三緒駅の位置であった。
 現今の学説ではカッパなどおらぬ事になっているが、此カッパヶ渕だけは魔可不思議と言う外はない。水死者は昔から数十名と、又マイトの怪我人など多く皆怖れていた。

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