炭坑記録画の数々
運搬(坑内)

バンガヤリ(傾斜 - 20度位でのスラ運搬)
昭和39~42年頃

 明治中期、バンガヤリ(傾斜)が二十度くらいになると、ひじの力で(スラ)を支えることは、強靭(きょうじん)な男でも難しい。
 このスラは、女の方が要領がよい。頭でスラを受け、手でかじをとり、足はコロを一歩でも踏み外さない。(複数の切羽が)共同するカイロであるから、(支えられないと)他人にも怪我をさせる。
 スラ函は、両側に石油缶(ブリキ)を切り広げてはる。立板を差し、二百㌔くらい(石炭を)積む。
 カイロは(天井が)低く、壁も狭く、よける場所もない。

 ~見てもゾゥンとする カナヤん谷のつつみ
サマちゃんがおんぷるぷんと 言うたつつみ ゴットン



※スラ    籠や木箱にソリ状の台がついたもの。
※コロ    運搬するために底に敷く丸太。
※カイロ   街路、街道。石炭を人力で運ぶ運搬坑道。
※サマちゃん 恋人のこと。

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