炭坑記録画の数々
運搬(坑内)

乗廻し棹取(ヤマ一番のオメカシ男)
昭和40年1月

 明治中期の乗廻し棹取、ヤマNo1オメカシ男。その姿をご覧ください。ヤマの乙女はちょっと一目ぼれして、恍惚と恋に心かきみだれ、狂う者さえおったと言う。
 棹取は、まず、白布のうしろ鉢巻は目の釣る如く。けばけばしいズボンつり。仕立おろしの白い肌着、同じ紺の洋袴に脚絆に足袋。手には磨き真鍮のカンテラ(坑内照明具)。光り輝くテラシ(反射板)をつけ、進行中の炭車に小鳥の様にピョンととび乗る、艶と粋。

 摺瀬のあるヤマは、コースもとには乗らず、あいのりする。空函は必ずコースにのる。あいのりは危険。

~わしのサマちゃん(恋人) 函のりまわし のりかた上手で なおかわい ゴットン



※棹取  坑内から石炭を捲揚げるため、炭車を操作する運搬夫。
※摺瀬  為摺(スラセ)。カーブ部分で脱線を防ぐ装置。
※コース 炭車を連結する金具。

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