炭坑記録画の数々
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ヤマと狐(狐取りの名人)
昭和33~38年頃

ヤマと狐

 明治丗三年の秋の頃、K坑に狐捕りの名人が現われた。これはワザワザ狐退治に雇い入れたのではない。移動坑夫のおっさんであった。罠をかけて毎日一匹位獲ってくるので 狐族は些かヘコタレたに違いない。計算すると数十匹獲ったそうだが、それでも狐は絶えなかった。幾分減った位であった。
 明治末期頃にはヤマの電灯化と密林は切払われ、狐の住居は狭まり自然消滅の形になった。このおっさんの罠の構造を知っておる人はヤマには一人もおらず、私も知らぬ。
 罠にかかりし狐が死にきれず、苦しんでおるときは、ヤー、狸をとるのにお前がかかったか、残念な事をしたと言うとの噂であった。

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