炭坑記録画の数々
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ヤマと狐(狐憑きを落とす祈祷師)
昭和33~38年頃
ヤマと狐
昔のヤマには狐憑きが多かった。躰の調子が少しでも悪いと必ず狐の崇りときめている傾向であった。それを癒す祈祷師も多く、その祈祷師も専門の神官もおるが、ヤマには俄作りの素人法師が多かった。今の様に免許などいらず得度もうけず、朝タ神仏の前でノームクサーマンダなどと唱えておる器用な人は、何時か祈祷師になっており、大きな数珠をつまぐり乍ら狐落しをやっていた。萬国大神、諸菩薩。絵は神官であるが仏力祈祷の方が旺盛であった。
五大明王 不動明王、隆三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王。其他、大元明王、倶利伽羅明王、摩利支天、四方天、大梵天、大自在天外数十天仏。不動様には衿羯羅童子、制咤迦童子が付添い、普通の祈祷で落ちぬ狐には不動のカナシバリと言う仏罰をくわえていた。
やがて祈祷師はノリトを本調子にあげ、ソリャ落ちよと手にせる笏木で患者をこ突く。患者は痛いから悲鳴をあげる。ソリャ退散せよと急所を突くから堪らない(仏力か暴力かのー)。ノリトが進むにつれ患者の合掌の御幣はガタガタと震い出す。その御幣を高く差あげ立って前方に倒れ、御幣を出口に投出す。それで完全に狐は落ちている。
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