炭坑記録画の数々
縁起、迷信、禁忌
烏 草木花 下駄
昭和40年3月
1 朝にカラスが鳴くのは皆嫌っていたが、ヤマ人は特に気にかけていた。
2 坑内に根がない草木花を持参するのを嫌う。仏様を連想するからであろう。
3 坑内に下駄を履いて入坑することも嫌う。坑内が汚れるといい、また滑るから危険でもある。
かわいい、可愛いと鳴くかと思うや、あほう阿保と泣くカラス。色が黒いと憎みはせぬが、烏口ゆえ肱(ひじ)鉄砲。
紀州(現、和歌山県)の熊野権現様の使い鳥と言い伝えのある烏なれども、人の死を三日も前から知って喜び鳴きわめくというので、ヤマ人の癇癪(かんしゃく)のたねであった。
※烏口ゆえ肘鉄砲 肘を曲げた状態(肘鉄砲)が烏の口に似ているたとえか。
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