炭坑記録画の数々
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昔のヤマ人9(断層)
昭和33~38年頃

昔のヤマ人 断層

 クイチガイ、ガックリ、ドマグレなどと称していた。此の喰違いが太い程厄介もので、これがヤマの癌である。ヤマによって幾段にも大小がある(全然ないヤマもある)。下部になるほど厚くなり又変化も多く大断層になる。従って又卸や支線が多くなり、最後には二ヶ処位切抜かねばならぬ。炭座はおおむね下座になっておるが、上座にある処もある。
  (蛇足 ヤマ素人のために記す)
 筑豊炭田は炭層が殆んど東に流れており、坑口は西向きである。西向きでない処は坑内で曲げておる。よって大仕掛けのスラセ、函ウケ、ロープウケがいる。炭丈も高低があり傾斜バンガヤリもそれぞれ違う。傾斜は十度から十五度位が仕事がしよい。又炭座の名称はヤマで各々つけておる。三尺、尺無、中グミ、八尺、帯無、小石、チリメン、五尺など数百種ある。
 昔は排気卸はあっても人道卸のあるヤマはない。中以上には坑口だけ別にある処が多かった。

*又卸 主要坑道から右あるいは左斜めに分岐した卸坑道。
*バンガヤリ(盤返り) 炭層の傾斜。

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