炭坑記録画の数々
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むかしヤマの人びと2(先ヤマ・低層炭の切羽採炭)
昭和33~38年頃

むかしヤマの人びと

 炭たけの低い切羽は坐り掘りの敷腕で鶴嘴を振る。昔の坑内夫は皆裸で草鞋も脱ぐ。身につけているものは、和手拭鉢巻と褌だけ、間には褌もはずしておる男もおった。粉炭は金にならぬ。何分マイトを使わぬ時代の先山は、採炭法にも巧拙の技術がいったわけ。従ってツルバシの穂先が少しでも潰れると取替えるので、松岩やシメなど出た日は、途中で后山が坑外まで焼直しにあがる事が多かった。
何挺もかたげて。
   注 盤ぎわを先スカシて上を落す
 ~のぼりくら(だ)りの 石の目も知らずー
  先山さんとは 名がおかしいゴットン~

*松岩 樹木が硅化したもので単に岩ともいう。堅くて重く採掘には邪魔な存在であった。
*シメ 炭層中にあるボタが刷毛目のように断続的に現われるもの。

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