炭坑記録画の数々
坑内労働(採炭)

昇坑(先山 後山)
昭和41年3月

明治 昇坑
先山后山、アトムキ、二人組で一と先(サシ)とも云う 朝汽笛三声午前三時に入坑して、手掘サシで(二人前)五函約二屯半、十二時間位、壱函の切賃(ホリチン)廿五銭前后。二人の消耗金カンテラ石油一合種油一合ツルバシ焼直し三銭又は五銭 ワラジ三銭石油二銭と四銭計十四銭位いる。しかし白米一升一、四キロ十銭タクアン一本一銭 明治三十三年には白米一、四㌔十二銭に沢庵香々が一本一銭五厘にあがってヤマのおかみさんたちが井戸端会議でくやん(コボシ)でおった。
一日の業をおえて二人共ヘトヘトに疲れ汗の出るのに先山は炭塵とカンテラの煤煙でまっ黒に汚れておる。白い処は目球と歯だけである。后山はサスガに先山ほどには汚れぬが相当に汚れておる さて昇坑の際には頭の手拭より別に汗ふきに持っておるのでキレイにふいてあがる まして若い娘などは雨降りの前日の猫の様に何回も顔を撫れてあがる。
○傾斜バンガヤリ廿度以上もあるヤマはツルバシを担いであがらない まき函の石炭にサシコミ積してあげる 何処のヤマでも坑口近くに鍛冶屋があった。


~のぼりくだりの石の目も知らず 先山さんとは名はおかしー ゴットン

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