炭坑記録画の数々
ヤマの訪問者

蓬莱豆売り
昭和39~42年頃

 明治のヤマの訪問者、蓬莱豆売り、派手ハデな扮装。子供の喜ぶうちわや太鼓で調子をつけ、据首(すえくび)踊りも面白い(カッポレ)。頭上のユリオケには風車と旗、豆袋が差してある。豆は白大豆を膠い(ねばい)砂糖菓子で包んだもの。色は白と赤。
~向う横丁のお稲荷さんへ一銭あげて お仙が茶屋に腰をかけたら 渋茶を出した
 渋茶よくよく横目で見れば 米のダンゴか麦のダンゴか おダンゴおダンゴ—
                               トトンコ トン
(これは江戸の瘡守稲荷(かさもりいなり)で有名な茶店である笠森お仙という評判の美女の歌と言う。)
 トントコ トントコまた売れたー(風車、旗、豆菓子一本が一銭=十斤切符)
 又(股とかける)が売れたらキンタマの宿替えー 忙しいーな。





※ユリオケ 汰桶。もともとは、前後にゆり動かして籾と玄米を選別する農具。
※膠い  ねっちりと結合してとけない(砂糖菓子)。
※十斤切符 切符は炭券ともいい、炭坑経営者が発行する私製切符で、重さの単位である。斤(1斤=約600g)を単位とする場合もある。ここでの十斤切符は一銭に相当した。

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