炭坑記録画の数々
ヤマの訪問者

団子細工 飴細工
昭和40年12月

 明治中後期、ヤマを訪れた芸商人、団子細工、飴細工。
1 だんごは米の粉を粘ったもので、白、黒、赤、青、黄の五色以上あって、それだけでも美しい。それで人形、花、果物など、指先だけで上手に作りあげる。(鉢ものは(値段が高いので)子供に手が出ない)
2 あめは茶色一種だが、赤と青のインキで彩色する。細竹のクダをくわえ、息を吹き込んで膨らかしつつデッチあげるが、これは鳥や瓢箪の二種であり、両者ともヤマの子供に人気者で、十斤印の一銭切符で一個売っていた。
 昔はこんなのんきな技術商人でも生活ができていたのであった。(客の側は)食いしん坊には不向き。食べる量もなく、まして団子はうまくない。


※十斤印の一銭切符  切符は炭券ともいい、炭坑経営者が発行する私製切符で、重さの単位である斤(1斤=約600g)を単位とする場合もある。ここでの十斤切符は一銭に相当した

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