炭坑記録画の数々
ヤマの訪問者

菓子売り(ブンマワシ)
昭和41年6月

明治 ヤマを訪れし商入 ブンマワシ

 石たん筥を二、三個、その上に一メートル角位の板をおき、時計の文字板式線印の厚紙を拡げ、線の末端に景品の菓子を並べ、それで準備完了。中心に軽く回転する横棒を取付け、棒の先端にモメン縫針がブラさげてある。その針が線の上に止まれば当たりで盛菓子が貰える仕組みであった。
 菓子はカルメラに似た砂糖菓子で赤黄白で餅の形をしていた。一回一銭だが、当たれば二十銭、十銭、五銭と相当するものが飾ってあった。何回か空転して弱まり、最後に線ぎわになるとアラドッコイアラドッコイと囃したてて賑わうていた。
 次は同じ菓子でくじ引きもあった。黒色のモットイ(元結)、女の髪ゆいに使うコヨリ糸を使用、左手に三十本位握り、右手に当たり番号記入の二十本位を持って大衆の眼前でオッチョイチョイと入れ込んでひかせる。これなれば当籤確実とツイ指で挟んでマンマと一銭の損。

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