炭坑記録画の数々
運搬(坑内)

チェーンコンベアー
昭和40年5月

 (日鉄稲築坑では)昭和十二年頃から、チェーンコンベアーを使用。それまでの切羽運搬は、シュート「樋(とい)」またはシェーカーコンベアーであった。チェーンコンベアーは能率はあがるが、トラフの底を摩擦するチェーンのリズムはやかましい。ローラーはついているが、ギヤホイールにかかるから極小型にしているので、うるさいのであろう。
 日鉄稲築坑は、戦時中は軍隊式であった。坑長は大隊長、幹部職員は中隊長、下級職員が小隊長、ベテラン先山は分隊長。以下、スコップ部隊は小分隊長の指揮のもと、号令によって作業を始め、停止など命令式で活発であり、キビキビとした動作であった。

1 トラフは3㍉一分の鉄板を1.56~3.12㍍立ち切りして、幅76㌢を底7.6㌢残して両側34㌢を五〇度に曲げたもの。継ぎ手と中央部に5㌢のアングル(山形)鉄を締め付けてある。
2 チェーンは、穴の芯7.6㌢で、リングは25㍉、ローラーは25㍉六分、4.4㌢あるツナギ、鋲(リベット)は16㍉であり、傾斜の少ないところは、羽根付、アングル(山形)付きを使う。



※トラフ  切羽運搬機の鉄製樋。V型、H型、平底などがあった。

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