炭坑記録画の数々
その他ヤマの仕事

間取り=ケンドリ
昭和40年2月

 明治中期、ケントリ。一ヶ月に二回、間取りがある。(間取りは)ヤクドコ、延先(のびさき)や請負仕繰などの跡間を計る。(間取り)当日は中以上のヤマでは、坑長も入坑する。(監督である)今の採鉱課長、(主任である)測量員のいるところはもちろん、その他歴々の幹部が(坑内に)さがる。担当の小頭はてんてこ舞い。良いといって褒めはしないが、悪いところがあると小言や叱言を聞かされる。
 延先は切詰まで計って、少し離れて枠足か柱に戻り、ケンといってキ印をつける。(岩壁につけると)発破で(印が)消えるからである。(印をつける)石灰汁は消えやすい。
 モノサシは巻(テープ)でもとるが、昔は金属製のチェーン形もあった。五寸(約15㌢)ずつの鎖がつくもの。

 ヤマの規格としては、本線坑道(卸)、排気卸、人道卸と三つの坑口がいる。右のうち人道卸は、ある程度で中断しているのが小ヤマに多く、四方八方に別水(散水)し、切羽まで着くには、巻卸を通らねばならない。昭和二十年以降、巻卸には三〇㍍毎に、避難所を作ることになった。
 大手ヤマでも人車のあるところは、排気卸を使用して、人道卸から炭車を巻揚げていた。本卸の応援であった。




※ケントリ 間取り。跡間取りともいい、請負作業を点検すること。
※ヤクドコ 施設の開設場所か。
※延先   坑道を掘進しつつある場所。坑道の切詰。
※仕繰   坑道などの保全のため、修理を行うこと。
※卸    炭層の傾斜に沿って下る方向。

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